基盤

 耳鼻咽喉科における心身症の割合と心療耳鼻咽喉科医の必要性

 心身症とはその発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし。神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する。と定義されている。
 耳鼻咽喉科の心身症として代表的なものとして咽喉頭異常感症、めまい、耳鳴があげられている耳鼻咽喉科において心身医療が普及しているとはいえない。耳鼻咽喉科における心身症、うつ病の割合などについて調べることを目的とした。平成18年3月から18年6月の初診患者のうち586例について検討した。心身症と考えられたものは133例(22.7%)であった。咽喉頭異常感症,耳鳴症,眩暈症(メニエール病を含む),慢性咽喉頭炎では心身症の占める割合が高くそれぞれ52.9% ,46.4% ,42.9% ,37.5%であった。
 治療は医師による心身相関の説明を基本とした。8例では臨床心理士によるカウンセリングや自律訓練法による治療を行った。耳鼻咽喉科において心身症患者を診ることは稀ではない。本研究で耳鼻咽喉科において心身症患者が一定数いることが分かった。耳鼻咽喉科医にとって心身症の診断を行うために心身医学を理解し、心療耳鼻咽喉科医として診療に当たることは重要である。
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<<引用もと>>
五島史行、中井貴美子、小川郁:総合病院耳鼻咽喉科における心身症の割合と心療耳鼻咽喉科医の必要性 心身医学 50(3),229-236,2010 より抜粋

活動内容

 本研究会では耳鼻咽喉科心身症に対して薬物治療、非薬物治療の方法について研究活動を行うことを基本路線として考えています。
 心身症とはストレスなどによって体の症状が出現した状態です。具体的には、耳鼻咽喉科における心身症の主なものはめまい、耳鳴、咽喉頭異常感症ですがこれらの症状はこれまで耳鼻咽喉科医はあまり得意としてきませんでした。これらの症状が改善せず長期間にわたると不安障害やうつ病などの重大な精神疾患になることもあり、体の症状で耳鼻咽喉科を受診した段階で早期に治療を行うことが大切です。
 いずれも、通常の医療検査では明らかな異常を指摘されず気のせいとされている事の多い症状です。逆に言えば命には別状がないですが、生活に障害を来し人生を楽しめなくする原意となっている症状と言うことも出来ます。

1 めまい

 めまいの多くは心身症ですがこれまではそのような捉えかたはされてきませんでした。メニエール病は代表的な心身症です。また心因性めまいも心身症です。

2 耳鳴

 耳鳴は多くの人が感じる症状ですが、耳鳴によって生活障害が出てきた時点で心身症と考え治療が必要となります。

3 咽喉頭異常感症

 のどに何かが引っかかった感じという症状は江戸時代から梅核気(梅の種がのどにある感じ)としてストレス反応として知られています。現在もなお不安などが体の症状としてのどの違和感を来すことが少なくありません。