日本耳鼻咽喉科心身医学研究会 趣意書

英文表記 Japanese Society of Psychosomatic Medicine on Otolaryngology
短縮表記 JSPO
日本語略語 耳鼻心

趣意書

 耳鼻咽喉科では頭頸部腫瘍をはじめ、咽喉頭炎や副鼻腔炎、中耳炎などの感染症、アレルギー性鼻炎、難聴などが主な診療対象となってきました。しかし社会の構造の変化によってストレスが関連していると考えられる患者さんの数が増加しています。感覚器を扱う耳鼻咽喉科ではめまい、耳鳴りや咽の違和感など様々な訴えも取り扱います。それらの症状の発症には生物学的および心理社会的要因が関わっていることは間違いありません。これらの患者は近年増加傾向にあるにもかかわらずその対処がわからず、悩まれる声が多い。その理由として外科系診療科として発達してきた耳鼻咽喉科においてはこれらの疾患に対して、これまであまり注目されることがなく積極的な議論が行われる場がありませんでした。

”病は気から”というように心と体は密接に結びついており心身医学の考え方は医学の基本となるものです。いずれの診療科でも必要なものです。心身医学で扱う対象となるのは心身症ですがこの言葉の定義そのものが現在も議論されています。しかし心身医学という分野は明確に発展してきております。

耳鼻咽喉科心身医学研究会では耳鼻咽喉科における心身症をはじめ、心理社会的要因が疾患の発症と進行に関与していると考えられる幅広い疾患を研究対象として行くことを目標としています。このような研究を続けることは耳鼻咽喉科の診療範囲を広げ、さらには多くの苦しむ患者さんの治療に有益な治療を提供できるようになると考えています。これによって耳鼻咽喉科を受診する患者さんのうち明確に診断されない患者さんに対して 病態解明と治療法の開発をめざそうと考えています。

発足目的

 耳鼻咽喉科において心身相関を理解して診療に当たることは年々重要になってきています。
様々な身体科において心身医学の研究会があります。(心療内科、心療眼科など)

 しかし耳鼻咽喉科においては心身医学の研究会がありませんでした。
 耳鼻咽喉科における心身医学の研究を発展させることを目的に2009年に耳鼻咽喉科心身医学研究会が発足いたしました。

 本研究会は略して”耳鼻心”とします。今後この領域の研究が進むにつれ、また時代の要請によって心療耳鼻咽喉科1)という領域が生まれてくることもあるかもしれません。

文献
1)五島 史行, 中井 貴美子, 小川 郁:総合病院耳鼻咽喉科における心身症の割合と心療耳鼻咽喉科医の必要性 心身医学50巻3号 Page229-236 2010年